ある日突然腰が痛くなった。これが腰痛かと思ったのだけど・・・
愛車を洗車していた。その時は何事もなかった。そしてそれは唐突に訪れた。
フロントバンパー下部を丁寧に洗っていて立ち上がったときに腰にヒヤッときたのだ。
無理に立ち上がらず落ち着いてからゆっくりと立ち上がった。
少し腰に痛みを感じたけどぎっくり腰ではなさそうだ、大丈夫だ、と思っていたのだけど、暫くしてからじわりじわりと腰が痛くなってきて歩くのも苦痛になってきた。
立っていても痛い、座っていても痛い、横になってみるとかなり楽だった。
仰向けは痛い、うつ伏せは楽、という事でうつ伏せになっていたのだけど、その日は比較的涼しい気候だったので2時間ほどウトウトとしてしまった結果、目が覚めたときには腰の痛みで起き上がる事も出来なくなっていた。
仕方ないので消炎鎮痛効果のある湿布を腰に張り、以前腰を痛めたときに病院で頂いた簡易的な腰ベルトを巻いたところ少しは動けるようになった。
数時間後、湿布の効果か痛みはかなり引いていた。
翌日はかなり楽だった。時々痛いけど昨日ほどでも無い。湿布と腰ベルトで乗り切った。
更に翌日、お昼までは楽だったけど午後に入って痛みが増してきた。
物を持とうとすると腰にヒヤッとくるし、歩くのも痛いし。
仕方なく病院に行く事にした。
初診の手続きをして待合室で待っていると名前が呼ばれる、診察室に入るとそこにいたのは初老の医院長、ケーシー高峯が痩せた感じだと思ったけど話し方も何だか似ているような気がする。
「腰か?反れる?かがめる?なるほどわかった、ベッドにうつ伏せで寝て」
言われるままにベッドにうつ伏せで寝ると医院長は僕のお尻を出して強く押し込んだ。
「痛いのはここだ!」
確かに痛い、メチャクチャ痛い。腰じゃなくてお尻の筋肉部分、確かにそこが痛いのだ。
「お尻の筋肉が痛いと腰が痛く感じるんだ、今から2キロくらい走ってこい楽になるぞ!」
医院長はガハハと笑いながらそう言った。
「物を持ったらヒヤッとくるならもっと重い物を持ってやれ」
イヤイヤ、そんな事したら余計に痛くなるだろう。僕はそう思ったけど医者がそう言うんだからもしかしたら本当に2キロ走って重い物を持ったらケロッと治ってしまうんじゃないだろうか。
「注射打つと楽になるぞ」
トリガーポイント注射って奴だ。痛みの原因になっている部分に麻酔薬、時には生理食塩水を打つと痛みが引いて楽になる。一時的な治療だけど注射は苦手なので丁重にお断りをした。
「1週間、1週間で楽になろう」
そう医院長は言った。1週間リハビリに通えば楽になるらしい。
念のため腰のレントゲン写真を撮り、腰の骨には異常が無い事を確認された。
良かった、懸念していた椎間板ヘルニアでは無いようだ。
しかしまさか腰ではなくお尻の筋肉が疲労して痛くなっていたとは思ってもみなかった。
腰に湿布を貼って痛みが少なくなったのも、お尻の筋肉に近いから何とか薬が届いたという事か。
それでも腰の痛みではないと知って精神的に楽になったのは確かだ。
とりあえず今日からリハビリを重ねてみようと思います。