マールボロを吸ったことがあるかい?
タイトルにピンと来た人は結構年配の方だと思う。
唄の文句にあるじゃないかと、それはさておき、「マールボロ」というタバコを知っているだろうか?
日本では「マルボロ」と短く発音されるこの「マールボロ」、タバコには珍しくマルボロマン(マールボロ・メン)というイメージキャラクターがいて、CMのキャンペーンとイメージの為毎日マールボロを吸い続けた末、肺癌が原因でお亡くなりになったという、都市伝説的だが都市伝説では無い、真の伝説を持つタバコ。
おいらはここ数年、このマールボロシリーズにある「マールボロ・メンソール」を愛煙している。
おいらが初めてタバコを吸ったのは何時の事だったか定かでは無いが、中学生の頃、悪友が学校帰りに誰も住んでいないアパート1階のベランダに集まり密かにタバコを楽しんでいた時では無かっただろうか。その頃ちょっと素行の悪い学生は「不良」だとか「ヤンキー」と呼ばれていた時代、今でもそう呼ばれるのかも知れないが、ヤンキー御用達のタバコと言えば「セブンスター」、通称「セッター」と呼ばれるちょいと重く、労働者のタバコというキャッチフレーズが似合いそうな渋いタバコが好まれていた。
そんなヤンキーの溜まり場でセッターを吸う。これが始まりだっただろうか。それでも中学生の小遣いではタバコは高く、それほどまだタバコの味が理解できなかったおいらは時々仲間の持ってくるタバコを吸うくらいだった。
16歳の頃、高校を辞め電気工事士の仕事に就いたおいらはタバコを愛煙する様になっていた。まず職場の全員がタバコを吸う、朝の喫茶店でスパー、休憩時間にスパー、まさにスモーキンブギの歌の通り皆よく吸う。「ちょっとタバコを吸ってきます」と言うだけで複雑で体力も知力も使う仕事の途中でも公に休憩できてしまう魔法の小道具がタバコだったのだ、吸わない奴には休憩は必要ない。そんな風潮もあり自然とタバコを吸う様になってしまった。
その頃に吸っていたのは「ラッキーストライク」だった。
特に味が好きだった訳でも無く、当時はバイクに乗っていて憧れのバイクがラッキーストライクカラーだったのがこれを選んだ理由。いつかラッキーストライクカラーのバイクに跨がりラッキーストライクを吸う、それが格好いいと思っていた16歳になっても中二病ですみません。
ところがその考えを覆す出来事があった。
別に何かあった訳で無い、17歳の頃一緒に電気工事の仕事をしていた先輩がマールボロを吸っていた。この先輩は車好き、当時、色々と改造したMR-2の初期型に乗りドリフトやジムカーナの楽しさをおいらに教えてくれ、途中からはバイクの免許も取りヤマハのSR400もクールにカスタムして乗る先輩をいつからかリスペクトしていたおいら。
そこでタバコもリスペクトしてその先輩が吸う「マールボロ」に変えたのだ。
ただ単純に憧れだけで吸い始めたマールボロも、途中メンソールに変えてしまったが随分長い付き合いになったものだとしみじみ思う。
あなたが吸っているタバコにも何か思い出があるでしょう。
今夜は思い出に浸りながらタバコの煙をくゆらせては如何でしょうか?