初めてのSIMフリー電話機、ボーダフォンの703SHの思い出。
タイの首都バンコクにあるスワンナプーム国際空港に到着してすぐにおいらは携帯電話会社の並んでいるカウンターに向かった。
何社かのタイの携帯電話会社が並んでいるが旅行者のおいらにはどの会社が使い勝手がいいのかはわからないので、プリペイドの電話として有名なのは「1-2Call」との記憶を頼りに1-2Callの販売元AISのカウンターに並んだ。
「プリペイドのSIMカードが欲しい」
カウンターの女性は少し困った顔をした感じだったがSIMカードの入ったパッケージを手渡してくれた。価格は50バーツ。日本円に換算すると150円くらい、このカードを電話機にセットすれば携帯電話として使えてしまう。日本では考えられない手軽さなのだ。
カウンターの女性が少し困った顔をした原因は特定できないが、その頃日本の携帯電話機にもSIMカードが導入され同じ規格のSIMカードなのでセットする事は可能だが、海外のSIMカードが使える訳ではない。時々勘違いした日本人がタイでSIMカードを購入して使えずに文句を言う事もあったそうだ。多分それを心配したのだろう。
おいらがその時タイに持ち込んだ携帯電話機はボーダフォンの703SH。元々はデジタルフォンという会社だったJ-Phoneから経営権を買ったイギリスのキャリアだ。ボーダフォンは後にソフトバンクに経営権を売却し、現在のソフトバンクになっている。
そのボーダフォンから販売されていた日本仕様の703SHだったが、この機種は裏技として設定によりSIMロックを解除する事が出来るのだ。SIMロックさえ解除してしまえばGSM規格のSIMカードを認識し、海外でも使用できる。
早速購入したSIMカードを703SHにセットして電源を入れる。ボーダフォンのロゴが表示され待ち受け画面に切り替わるとアンテナが3本立った。画面の中央には「GSM/AIS」の文字が表示され、無事にGSMでAISの電波を掴んでいる事を表していた。
でもこのままでは通話は可能でも、ネットは使えない。ネットを使用するにはネット用の設定が必要なのだがちゃんと調べてある。APNと呼ばれる設定を打ち込み認識させブラウザを立ち上げてみると遅いながらも日本ボーダフォンのサイトが表示された。
次はパソコンと接続してみる事にする。
703SHを付属のUSBケーブルで接続してモデムとして認識させ、通信のATコマンドを適切に設定して接続ボタンを押してみると遅いながらもブラウザはmixiの画面を表示した。
この頃のネット通信はGPRSと呼ばれる規格で通信速度は最大115kbps、しかしタイでは最大速度が出る事は希で、遅さへの我慢も必要だったが1分1バーツでネットが使えるのはありがたい。
結局いつものように「今バンコクのホテルから日記を書いてます」という自己満足の塊のような日記を書いてしまった。